先日震度5強の地震が発生しました。
お怪我をされた方々の1日も一日も早いご回復をお祈り申し上げます。
さて、先日の地震でもそうですが地震発生すると列車が止まります。
安全確認を行うので運転を見合わせます、と何時間か待たされたり、遠方の方なんかは接続列車が終了し帰宅難民となってしまいます。
列車は何故運転を見合わせるのか。
東日本大震災の時どうだったのか。旅客案内は適切だったのかどうか、震災の1年後に検証され国土交通省から資料が展開されています。
今回はその資料に基づいて、思うことだったり、今回の地震でこれは活かされたのかどうか、あくまでも一個人の視点ではありますが見ていきたいと思います。
引用元:大規模地震発生時における首都圏鉄道の運転再開のあり方に関する協議会報告書
目次
地震発生時駅間に停車した多数の列車
7ページに東京駅から30キロ圏内で、地震発生時に走行していた列車(のちに駅間停車)、駅に停車した列車が各線区ごとにまとめられている。
全線区で957本列車があり、344本が駅間に停車した。
この344本はいわゆる列車内に閉じ込められたということになる。
運転計画等の打ち合わせを指令所で行い、30分~1時間後に徒歩による避難誘導が始まった。
徒歩による誘導は344本の列車中137本となっている。およそ4割である。
残りの6割の列車はどうかというと、徐行で最寄り駅まで到達し乗客を降ろしたということになる。
なお、列車により乗客の避難誘導を行った一部の鉄道事業者は、震災発生時に次のような運転方法で移動した。
(1) 駅間に停止後、指令の指示を受け、次駅まで運転士が目視できる範囲内に直ちに停止できる速度(5km/h 以下)で移動した。
(2) 駅間に停止後、指令に確認したところ、次駅の施設点検終了に時間を要することから、指令の指示を受け、手前の駅まで運転士が目視できる範囲内で停止できる速度で退行した。
理想は、列車による移動だが必ずしもこれが良いとは限らない。
JR線内では軌道変異(レールがゆがむ)などが起こった。
その場合はどうしても徒歩にて避難することになる。
数字を見ると、JR線は設備に異常をきたしたため、ほぼすべての列車において徒歩による誘導を行ったのかもしれない。
地下は地震の影響を受けにくい 地下こそ安全
駅間に停車してしまった列車は、事業者の線区ごとにまとめられていて、非常に細かい数字が出ている。
東京メトロ、都営地下鉄は全ての列車において徒歩誘導を行わず、列車による避難を行った。
例えば、銀座線なんかは案内軌条といってレール部分に電気が流れているため、軌道内(線路内)に人が立ち入るためには停電させる必要がある。
そうすると、非常に時間がかかる。
銀座線のような理由でなくても、地下トンネル内は暗いため安全が確保できないなどの理由があるのかもしれない。
基本は、列車による誘導を行うと規定されているようだ。
【事例1】
○強い地震(震度4以上)を計測したときは、指令は全列車を一旦停止させる。
○震度4の場合、指令の指示により55km/h 以下で次駅又は先行列車が停止していた位置まで注意運転し、安全が確認できれば通常の速度で運転する。
○震度5弱の場合、指令の指示により25km/h 以下で次駅又は先行列車が停止していた位置まで注意運転し、安全が確認できれば通常の速度で運転する。
○震度5強以上の場合、保守係員が要注意箇所について点検を行い、安全が確認できるまで運転を中止する。【事例2】
○25ガル以上40ガル未満の場合
指令から全列車に対し「注意運転(運転速度の規制なし)」を一斉に列車無線により指令する。各列車は、先行列車が停止していた駅まで注意運転し、運転士から異常ない旨の報告を受けて注意運転を解除して通常運転とする。
○40ガル以上の場合
100ガル未満の場合は、全列車に対して列車無線により音声で「緊急停止」指令を自動的に発信する。また100ガル以上の場合は、「緊急停止」指令の発信を行うとともに停止信号を現示させる。なお、この停止信号は30秒後に自動的に復帰する。
・40ガル以上80ガル未満
各列車は、先行列車が停止していた駅まで25km/h 以下で注意運転し、運転士から異常ない旨の報告を受けて速度制限を解除する。また、保守係員が列車添乗による目視点検を行い、異常がなければ注意運転を解除して通常運転とする。
・80ガル以上100ガル未満
各列車は、先行列車が停止していた駅まで15km/h 以下で注意運転し、運転士から異常ない旨の報告を受けて速度制限を解除する。また、保守係員が列車添乗による目視点検を行い、異常がなければ注意運転を解除して通常運転とする。
・100ガル以上
駅間に停止した列車は、停止した位置から次駅まで5km/h 以下で移動し、運転を見合わせる。保守係員が徒歩点検を行い、異常がないことを確認し運転を再開する。その際、先行列車のあった駅まで25km/h 以下で注意運転し、運転士から異常ない旨の報告を受けて注意運転を解除して通常運転とする。【事例3】
地震発生による運転規制は、線路の条件により規制区間を3つに分けている。
なお、運転中止とした場合、線路の変形、倒壊物による支障がないかどうかを巡回により点検し、異常がないことを確認できた区間から運転を再開する。運転再開時の初列車の運転速度は、貨物列車が25km/h 以下、それ以外の列車が35km/h 以下としており、初列車で異常動揺等がないことが確認できれば次列車以降は通常の運転速度とする。ただし、仮復旧による運転再開の場合は、運転速度を制限した上で運転することがある。
○規制区間Ⅰの区間は、3 カイン以上6 カイン未満が速度規制、6 カイン以上が運転中止
○規制区間Ⅱの区間は、6 カイン以上12 カイン未満が速度規制、12 カイン以上が運転中止
○規制区間Ⅲの区間は、9 カイン以上18 カイン未満が速度規制、18 カイン以上が運転中止
※規制区間Ⅰ:規制区間Ⅱ及び規制区間Ⅲ以外(東京駅から30km 圏内にはなし。)
規制区間Ⅱ:地震時に落石の可能性がない区間(東京駅から30km 圏内のほとんどの線区)
規制区間Ⅲ:地震時に落石の可能性がなく、「耐震設計指針」以降の設計標準等で設計し、建設された区間(東京駅から30km 圏内の一部線区)
各鉄道会社によって、さまざまな運転規制があり率直な感想としては足並みがそろっていないというのが感想である。
事例1、2、3はどの鉄道会社なのかわからないが私の予想はこうである。
事例1:京急 事例2:メトロ、都営 事例3:JR
基本的に地下は揺れに強いと言われている。
震源地に近いから危ない、崩落する、水没するなど思われがちだが、地下は揺れの方向が同じであるため(詳しくは調べて見て欲しい)、地上よりも揺れの大きさが小さくなる。
そのため、地下鉄線は比較的早くに運転を再開できるのかもしれない。
この頃から終夜運転は行っていた
2021年先日の地震で、西武鉄道が終電後に臨時列車を走らせたことでインターネット上で大きな話題となりました。
しかし、東日本大震災時、JRは終日運転見合わせを大混乱する中、いくつかの事業者で終夜運転が行われました。
通信障害があり、他鉄道会社に連携できない中、単独で行ったようです。
銀座線は、ホームが混雑しすぎて安全確保ができなくなり一時運転を見合わせたりしたようですが、フレキシブルな対応を各社行っていたようです。
震災から10年経った今、専用線は整備されたのだろうか。
今回の地震では、大きな通信障害は起きなかったが、各社の連携が課題だったのは解消したのか、非常に気になるところではある。調べようがないが。。。
今回の地震で、確かに帰宅難民者は出てしまったが、
特にJRは大幅遅れの中、そこまで運休することなく、深夜まで(始発列車の時間近くまで)列車を走らせていました。
そもそも帰宅難民者は、施設を開放するという規定が震災後に出来たはずなので、大変なのは承知の上若干はしかたないのかなと思います。
国土交通省は滞留者がいるうちは列車を運行してほしいと、今回の地震で言ったそうですが、全く現場が見えていないと思いましたとさ。
おわりに
大きな地震や、災害が起こらない これにこしたことはないですが、
災害大国日本ではどうしても起きてしまいます。
今回は鉄道に焦点を絞って色々と書きましたが、何かが起きた時、誰かの指示(例えばその施設の管理人の指示)を待つのではなく、
自分で情報を得て、どうするべきかを考えて行動することが大事です。
鉄道に関しては、精一杯やっています。
因みに、こういった記載がありました。
なお、列車が駅間に停止した後に指令の指示により緊急避難的に次駅等まで低速で移動する場合は、法令上の「列車」ではなく「車両」として位置づけることが考えられる。
法律も、非常時はしょうがないという感じです。
設備が壊れてしまっては徒歩で避難するしかありませんが、今後は効率のいい方法で避難することになるでしょう。
列車に乗車しているときは、避難したい気持ちもあるとは思いますが必ず乗務員の指示に従いましょう。車両の外は危険です。安全が確保されてから外に出ましょう。
途中から、アルコールが入り徐々に支離滅裂になってきたような気がしますが、最後まで読んで頂いた方に御礼申し上げます。