2025年5月13日17時40分、かねてから気になっていた家系ラーメンの名店「王道いしい」へ足を運びました。幸運なことに待ち時間はなく、スムーズに入店することができました。
今回注文したのは、定番の「豚骨醤油らーめん」に、食欲をそそる「味玉」、磯の香りがたまらない「海苔」、そして家系ラーメンには欠かせない「ライス」のフルコース。もちろん、味の濃さ、油の量、麺の硬さはすべて「普通」でお願いしました。お値段は合計で1410円。期待に胸を膨らませながら、ラーメンの到着を待ちます。
そしてついに、目の前に現れた豚骨醤油らーめん。立ち上る湯気と共に、食欲を刺激する濃厚な醤油と豚骨の香りが広がります。一口スープを啜ると、ガツンとくる力強い醤油の風味と、それを優しく包み込むまろやかな油のバランスが絶妙です。まさに「これぞ家系!」と言わんばかりの、骨太な味わいが口の中に広がります。
ただ、この強烈な個性は、もしかしたら人を選ぶかもしれません。しかし、私にとっては、これこそが王道家ならではの味わいだと感じました。しっかりと伝統の味を受け継ぎながらも、どこか独自の魅力がある。そんな印象を受けました。
特筆すべきは、卓上調味料の種類の豊富さです。おろしニンニクなど、自分の好みに合わせて味の変化を楽しめるのは嬉しいポイント。そして、この店舗のオペレーションの効率の良さには驚かされました。厨房の奥から、ほとんどの席へスムーズにラーメンが提供される様子は、まさにプロの仕事。無駄がなく、見ていて気持ちが良いほどです。
さて、家系ラーメンのお供といえば、やはりライスは外せません。私は、このライスに「致死量」と言っても過言ではないほどのニンニクをかけこむのが流儀です。フライドガーリックチップと、これまた中毒性のある「無限にんにく」、そしてコクをプラスするマヨネーズ。これらを海苔で巻いて、熱々のスープに浸して一口食べれば、もう何もかもが分からなくなってしまうほどの幸福感に包まれます。
正直なところ、このニンニクの使い方は、食べる側が試される場面かもしれません。ついつい色々な調味料を試したくなりますが、私の個人的な好みとしては、「熟成おろし緑にんにく」で強烈なバイオテロ口臭を発生させるのが一番堪りません。パンチのあるニンニクの風味と、豚骨醤油スープの濃厚さが絶妙にマッチして、後引く美味しさなのです。
以前の私は、家系ラーメンにここまでハマるとは想像もしていませんでした。「二度と食べない」と思った次の瞬間には、「また来る」。「もう懲り懲りだ」と感じても、なぜかまた足を運んでしまう。そして、最終的には「また行きたい」という衝動に駆られるのですから、本当に不思議なものです。
小さい頃は、ラーメンとライスを一緒に食べるなんて考えられませんでした。別々に食べるものだと思っていたのです。しかし今では、ラーメンにライスはもはや必須アイテム。あの背徳感のある組み合わせが、たまらなく美味しいと感じるようになったのですから、味覚の変化というのは面白いものです。
正直なところ、人生で初めて家系ラーメンを食べる人は、その独特の味わいに最初は戸惑い、美味しいとは思わない人もいるかもしれません。しかし、この強烈な中毒性は、一度体験すると忘れられない記憶として、舌の奥底に深く刻まれるはずです。そして、ラーメンと一緒に添えられた生姜も、また別の意味で記憶に刻まれるのでした。
つづく。