2025年12月、夜。 柏の夜風が冷たくなる頃、私は再びあの場所へと足を運んでいた。
そう、「王道家」である。
今回が2回目の訪問。 最初に言っておこう。ここは単なるラーメン屋ではない。食欲という欲望を極限まで満たしてくれる「テーマパーク」であり、一度知ったら戻れない「沼」なのだ。
目次
厨房という名のステージ、待ち時間すらエンタメ
前回の初訪問時、私は衝撃を受けた。 家系ラーメンの店において、スマホをいじっている暇などないのだ。
客席から見渡せる厨房は、さながらステージ。 巨大な寸胴から立ち上る湯気、飛び交うスタッフの威勢の良い声、そして流れるようなオペレーション。すべてが丸見えだ。
時折入る「スープの調整」により提供に時間がかかることもあるが、それすらも「最高の⼀杯を作るための儀式」としてショーの一部に見えてくる。
意外と見落とせない「水」と「清潔感」
そして特筆すべきは、環境の良さだ。
- 厨房・店内が驚くほど綺麗:床のぬめりや雑然とした感じがない。
- 水が美味い:コップこそ小さいが、しっかりと浄水されたキンキンに冷えた水。
濃厚なスープを迎え撃つ準備は、この水ですでに整っているのだ。
1時間の並びの先にある「合法な薬」
今回は休日ということもあり、並びは約1時間。 客層は若い男性がメインだが、中には鋭い眼光の「ラーメン通」らしき姿もチラホラ。
そして着丼。

+海苔増し+味玉+ライス
一口飲めばわかる。ガッツリと効いた醤油のキレ。それに負けない濃厚な豚骨の旨味。
前回「塩っぱい」と感じた衝撃はそのままに、今回はその塩気が脳髄に響く快感へと変わっていた。(薄めコールやネギラーメンという選択肢もあるが、やはりこのパンチこそが王道家だ)
まさに「合法な薬」とはこのこと。 毎日は厳しいかもしれない。だが、身体が、脳が、この中毒物質を忘れさせてくれないのだ。
ご飯が「違法」になる瞬間
王道家に来て、ラーメンだけで帰るのは素人だ。 ここには「無限ニンニク」という名の魔物が住んでいる。
私の儀式はこうだ。
- ご飯に無限ニンニクを乗せる。
- (今回は控えたが)本来ならここにマヨビーム。
- スープにひたひたに浸した海苔でご飯を巻く。
- 喰らう。
……飛びます。
もはやこれは「合法」の域を超え、「違法」級の美味さ。 途中からニンニクチップで食感を加えたり、最後にショウガでさっぱり締めたりと、卓上調味料での味変も無限大。
食後、「くっせぇニンニク臭になるかな…」と一瞬不安がよぎるが、不思議と王道家のニンニクは後に引きすぎない(気がする)。
結論:バッキバキにキマりました
1時間の並びも、塩分の罪悪感も、すべてを吹き飛ばす圧倒的な満足感。 店を出る頃には、満腹感とともに「バッキバキにキマった」高揚感に包まれていた。
米との相性が完璧すぎる、最強の醤油豚骨。 王道家、やはり恐るべし。
ごちそうさまでした。